どんな組織なの?
みんながみんなによびかけて、いっしょに楽しむ「100万人のキャンドルナイト」。よびかけ人になってくれた人が、まわりの人によびかけて、その人もさらにまたよびかけてくれるから、どんどん広がっていきます。よびかけや、説明や、もりあがるツール作り、情報の交通整理をしているのは「100万人のキャンドルナイト事務局」。運営のための「100万人のキャンドルナイト幹事会」もあります。みんな対等、横のつながり、自発性と多様性をだいじにしたネットワークです。

コトのほったん、いいだしっぺ
2001年、大統領選で勝ったブッシュが発表した「どんどん原発つくろう」というエネルギー政策に反対し、米国で自主停電運動が起こりました。オーストラリア経由「一緒に自主停電しよう」というそのよびかけに応じた日本の環境NGO「ナマケモノ倶楽部」が、夏至の6月21日、19時〜22時の3時間、東京国分寺の「カフェスロー」を「暗闇カフェ」と称し、でんきを消して営業しました。そのつぎの年「ナマケモノ倶楽部」の世話人、辻信一のよびかけに藤田和芳が応え「大地を守る会」が「キャンドルナイト・プロジェクト」として、2002年10月26日・原子力の日に2時間、でんきを消してローソクのあかりで過ごそう、と6万人の会員によびかけました。あつまった感想文に書かれていた楽しい時間の過ごし方をよく読んだふたりは、これは面白い、とマエキタミヤコに話し、100万人のひろがりを持ちますようにという願いを込めて「100万人のキャンドルナイト」という名前と「でんきを消して、スローな夜を。」という合い言葉と「よびかけ文」を作りました。池田徹、枝廣淳子、坂本龍一、立松和平、とよびかける人も増え、竹村真一の提案でインターネットや最新の技術を使ったムーブメントを楽しく見える形にする(可視化する)仕掛けもでき、環境省もパートナーシップを組んで協力してくれることになり、NGOリーダーシップのもと、2003年6月22日日曜日・夏至の日の8時から10時、第1回目の「100万人のキャンドルナイト」が始まりました。終わった後かぞえたら、よびかけ人は154人、賛同や後援をしてくれた個人や団体は300、タワーやランドマークなどのライトダウン施設は全国で2,278カ所、参加者は500万人(環境省発表)でした。

お金はどこから出ているの?
みなさんからの賛同金とよばれる寄付によって運営されています。1000円、5000円、5万円と選べますので、個人の方も、会社の方も、グループや団体の方も、ぜひご協力ください。いやーほんと、みんな自発的にやっているんですが、いろいろとかかってしまうものです。去年は申請しオッケーが出たので「地球環境基金」という助成金も利用しました。環境省とパートナーシップを組んでいますが運営はまったく独立です。みなさんからの賛同金が活動の支えです。>>くわしくは去年の会計報告をごらんください。

NGOとか「市民が主体」って?
公共のサービスをする人は公共機関だ、つまり行政に関連している人たちだ、と思われるときがありますが、そうでない人たちもいます。行政がカバーしきれないところ、だけど必要だと思われるところで自発的に公共の利益のために活動している人たちもいます。そういう人たちをNGOといって、100万人のキャンドルナイトもそのうちのひとつです。NGOは Non Governmental Organization の略で「行政機関ではないけれど公共的な活動をする組織」の意。行政機関から資金を受け運営される外郭団体とは異なります。リオデジャネイロの地球サミットで参加国により採択された「アジェンダ21」には「各国の政府にNGOと連携パートナーシップをとり、環境問題の解決にあたらなければならない」とあり、日本の環境省もこれにのっとり、NGO発の環境と文化のムーブメント「100万人のキャンドルナイト」とパートナーシップを組んでいます。「100万人のキャンドルナイト」は環境や文化に重きをおく、自発性と多様性のムーブメント。環境省とは地球温暖化防止やライフスタイル見直しの観点での連携しています。そのきっかけとなったのはナマケモノ倶楽部の世話人、辻信一がメンバーだった「環の国くらし会議」でした。

環境?
「100万人のキャンドルナイト」って消灯運動でしょ。えっ環境運動じゃないの? わたし平和運動だと思ってた。省エネ、自然保護、スローライフ、ライフスタイル見直し、温暖化防止、CO2削減、エネルギー、消費見直し、ほかにもさまざまな想いで「100万人のキャンドルナイト」は広がってきました。テーマがたくさんある運動なんてヘンだ、メッセージが統一されてないなんておかしい、とおっしゃる方もいますが、この多様性が「100万人のキャンドルナイト」のいいところだとも思います。決まっているのは、みんなでいっせいに、その日2時間、でんきを消す、ということだけ。「あ、隣の家のでんきも消えている、うちと一緒だね。いまごろみんなで未来の地球の話でもしてるのかな」なんてことが、あっちこっちで起こる夜。人類の存続をかけた環境の時代の、自発性と多様性の夜。あなたはどんな過ごし方を、誰と、しますか。

運動?
これまでたくさんの市民運動がありました。大きな力を弱いものが押し返すとき、集まって反対方向の力をかけました。でも環境の危機にはこれがそのまま通用しません。反対の方向ってどっちなんだかわかりにくかったり、あきらめムードになっちゃったり。だから「100万人のキャンドルナイト」はアンチな強さより、自発性と多様性、同時性をだいじにする、ゆるやかつながりのムーブメントという形になりました。ときには法律も必要かもしれませんが、自発性はもっともっと社会を動かす可能性を秘めています。ムーブメントは必要に応じて自然発生し、お役目が終わったら、自然消滅します。ジャンルを超えて広がり、ライバルや競合関係にある人たちが、一時的に手を組んだり、力を合わせたりします。そこに未来への希望がちらっと見える、それが、もしかしたらこのムーブメント最大の役目なのかもしれません。

誰が主催者なの?でんきは全部消すの?
主催者はみなさんです。ひとりでお風呂に入ったり、手紙を書いたり、本を読んだり、おうちで家族で集まって、でんきを消してローソクつけて、ごはんを食べたり、音楽きいたり、子どもに絵本を読んだり、仲間で集まってパーティしたり、ポスター貼ってよびかけてイベントしたり。みんながみんなによびかけて、いっしょに楽しむ「100万人のキャンドルナイト」です。まっくらかどうかにはこだわらず、楽しい範囲でやってください。暗闇が怖がって泣く子もいます。そんなときは半分だけ消すのはどうでしょう。ラジオは聞きたいな、パソコンは消したくないな、テレビでどーしても見たい番組やってるんだけどな、暑くてたまらないんだけどエアコンつけちゃダメ?みーんな臨機応変、個別対応、自発性尊重、多様性尊重でおねがいします。きまりはないんです。少しずつでいいんです。できる範囲、楽しい範囲、無理のない範囲でおねがいします。おもしろかった、またやろう、そうみんなにいってもらえるのがだいじです。