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2005年02月05日

今年のぼくの合い言葉は「私にできること」です

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皆さん、あけましておめでとう!
年末の30日にビルマから無事帰りました。無事と言いましたが、実は、あのスマトラ島沖地震の時、震源地の北、アンダマン海を隔てたイラワジ河の河口で学生たちとフィールドワークをやっていて、大きな揺れを感じました。なぜ、あのあたりとバングラあたりだけに津波が来なかったか、ということについていくつかの説明を聞きましたが、まあ要するに、一種の奇跡だったようです。

竹村さんがよく引用される三浦梅園の言葉に、「みんな地震がおこると大騒ぎするけど、いまここで地震が起こっていないことこそが一種の奇跡なんだ」といった内容のものがあります。
15万を超えて増え続ける死者のことを一方で思いながら、自分が今ここに生きてあるということの意味を静かに考えたいと思います。今回の経験を通じて二つのことを啓示のように感じました。ひとつ、日本の原発を止めるべきこと、ふたつ、マングローブ植林を進め、森をつくり続けること。そういえば昨日、坂本龍一さんと会った時、彼は、南インドで津波による原発事故があったという未確認の情報があると言っていた。日本の原発はどっちの方から津波が来てもちゃんと当たるように列島中の海沿いに建っていますからねえ。揺れそのものへの懸念とか、対策とかについてはある程度の議論があるけど、津波が来たらどうなるかという議論はあまり聞かないですよね。マングローブが二酸化炭素の吸収、固定に果たす大きな役割が注目されつつありますが、そればかりでなく地球温暖化と水面上昇の時代に、マングローブが侵食防止や防災のために果たす役割がいよいよ大きくなります。自分が植林プロジェクトに参加しているマングローブの沼地で今回の地震を経験したことを、ひとつのメッセージとして受け止め、これからいよいよ真剣にマングローブ生態系再生の活動に取り組みたいと思います。

今年のぼくの合い言葉は「私にできること」です。「キャンドルナイト」からマングローブ植林まで、一見どんなにささいなことでもやれることをやって、ひとりでも多くの人に「ああ、それならわたしにもできる」とか、「よし、それなら、わたしもこんなことをやってみよう」とか、と思ってもらえるようにしたいと思います。「わたしにできること」の気づきを得る機会としてキャンドルナイトはますます重要だと感じています。

辻信一
(2005年1月4日のメールより)

candlenight : 2005年02月05日 15:38